昭和50年2月、国の「伝統工芸品産業の振興に関する法律」(略称/伝産法)によって第一次の産地指定を受け、後継者の育成、近代的デザインと新技術の開発に努めており、また市内に点在する銅器関連近業の集団化と共同事業化により生産能力の増強と技術開発、公害の解消を図るため、昭和51年から高岡銅器の総合団地化を目指しており、日本唯一の産地としてゆるぎない地固めを確立しようとしています。
指定商品または指定役務
富山県高岡地域で銅合金により製造されたネームプレート及び表札・銘板・彫刻・小立像・胸像・大仏・梵鐘・灯ろう・置物・壁面飾り・花瓶及び水盤・花器・額皿・風鈴・香炉・香立・ろうそく消し及びろうそく立て等のことであり、平成20年1月に特許庁により登録されました。
輸入品や他産地で作られた製品、鉄や亜鉛合金の商品には使用できません。
高岡銅器の種類
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蝋型
蝋型は、蜜蜂の蝋と松脂、イボタ(イボタロウムシの分泌物を精製した物)等を混合したものにより手ひねりで原型を作り、これを「土」で包んで焼成する。蝋の溶けた後に溶解した金属を流し込む。鋳型をほぐすと蝋で作った原型が金属の形に成り代わっているのである。 この作品は伝来の意図を作者の確かな技術と多彩な造形力を裏づけとして自由自在に蝋を操る様がつかみとれます。蝋目といわれる特有の鋳肌が、その着色と相まって金属の冷たさを感じさせません。
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地紋
溶解された金属が、鋳型の中を這うように流れてゆく。鋳型から取り出され、熟練の職人により丁寧に仕上げられてゆく。そこには金属とは思えない精緻で優美な文様が浮かび上がり、鋳物ならではのあたたかさが漂います。
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彫金
熟練の彫金師が、金槌と鏨(たがね)を用いて丹念に模様を彫り上げていきます。絵筆にも勝るとも劣らない繊細かつ緻密なその表現力をご堪能ください。 熟練の高岡の古い街のあちこちで「チン、チン、チン」と、たがねの音が聞こえます。
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古銅彩
近世になって出土された青銅器は、長い年月を経て現れるさびの状態が人の目を見張らせるほど美しく、時代を超えた工芸品として生き続けているのです。銅器の生地を昔ながらの薬品で煮たり、焼いたり、オハグロや漆をすり込んだり、銅器本来の性質を引き出し、美しい古代色古銅彩に仕上げます。
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